ランニングデザイン・ラボでは、箱根駅伝出場に向けたプロセスを通して、多様な学術的側面の融合領域としての「ランニング」を研究します。

News

ランニングデザイン・ラボのPITCH(登壇者:保科光作)が11月23日 (土・祝) 15:30 - 15:45 東京ミッドタウン・イーストB1F ホールにて開催されます。

SFC Open Research Forum 2019: Beyond SDGs SDGsの次の社会が2019年11月22日(金)-23日(土)に東京ミッドタウンにて開催されます。

2019年10月2日、ランニングデザイン・ラボ報告会を三田キャンパスG-Labにて開催しました。40名強の皆様にご参加いただきました。

ランニングデザイン・ラボとは

ランニングデザイン・ラボは、慶應義塾大学SFC研究所内に設けられた同じ研究テーマを持つ研究者により、横断的・融合的に構成された組織であり、先端的研究ミッションを持つ研究グループです。

本ラボでは、箱根駅伝出場に向けたプロセスを通して、大学スポーツの中での長距離走や駅伝のあり方、社会的意義から、強化策や強化方法、練習法に至るまで、ITの利活用や医学や生理学を含む多様な学術的側面の融合領域としての「ランニング」を研究します。

また、このランニングをデザインすることが、健康、高齢者、教育、街づくり、ひいては持続可能な社会づくりに及ぼす影響について検討します。なお、本ラボの研究については、2017年に100周年を迎えた體育會競走部の慶應箱根駅伝プロジェクトと連携して実施することにより、実践的に研究をすすめるものとします。



沿革
2016年12月 ランニングデザイン・ラボ開設
2017年3月 體育會競走部の慶應箱根駅伝プロジェクトと連携、本格始動 [プレスリリース]
2018年1月 第94回箱根駅伝8区 関東学生連合に競走部選手が選抜選手として出場

研究内容

1. 研究目的

大学駅伝に関する研究はこれまでコンディショニングなどの事例研究をはじめとして、トレーニング、運動生理学の視点から多くなされてきています。様々な先行研究によると、大学駅伝にむけてのスケジューリング、トレーニングには各校差がなく、どの大学も似ているということが言えます。 駅伝はチームスポーツであり、「駅伝で勝つためには、個人の能力も重要であるがそれ以上にチームワークが必要である」と報告されていますが、大学駅伝の先行研究では選手個人に焦点を当てたものがほとんどでチームに焦点を当てた研究は見当たりません。 一方で「チームスポーツにおけるチームの強さを評価するためには、個々のメンバーの技術力とチームワークとの両方を評価することが不可欠である」と指摘されています。チームの強さの要因を知るためには、選手個人の能力を問題とするだけではなく、チームワークすなわち、集団機能について研究することも必要です。

集団機能は、行動(集団機能)が部活内で適切に働くことが、目標達成や活動の維持、発展に必要であると指摘されています。チーム内での個人の行動やその変化がチーム全体にどのような影響を与えるのか、またそのプロセスを理解することが、効果的なコーチングに必要なことであるといえます。 コーチングプロセスの現実を「泥沼的(the ‘muddiness’ of the realities of the coaching process)」と表現されるように、コーチングを行う際、様々な要素が相互に作用しあい複雑な影響をコーチングに与えているといえます。 しかしそのような現実の中、コーチが「構造化された即興(structured improvisation)」を行っていることも事実です。さらに「一貫して専門的知識,個人間の知識,個人内の知識を駆使し、あるコーチングコンテキストにおいて知識を使いこなすことによって、アスリートの4Csをあげていく。それが効果的なコーチングである」と述べられているように、 コーチングを行う際、二度と同じ現象が起こらない中で、そこで何が起きているのか過去から学び、経験を整理しながらより良い即興で効果的にコーチングできるように構造化していくために、ひとつひとつの現象を理解することが重要であるといえます。

しかし、これまで大学駅伝出場チームが一年間歩んできたプロセスを対象に行った研究は行われていません。大学駅伝においても、1人1人がどうであったか以外に、レギュラー選手、さらにはそれを支えたメンバーを含めて何がそこに起こったかというプロセスを包括的に理解することは、効果的なコーチングを行うための学びとなり得ます。 そこで、大学駅伝においてチームビルディングをするにあたって、チームのプロセスを理解し研究をすることは効果的なコーチングを行うにあたっても重要なことと言えます。

こうした実践的研究の他にも、近年過熱する駅伝ブームや、これとマラソン競技との関係、そして大学スポーツとしての長距離走や駅伝競技のあり方を含め、ランニングのデザインを全般的に検討することを目的とします。

2. 研究領域

ランニングデザイン・ラボでは、「ヘルスデザイン」「SDGs」「ランニングアナリシス」の3つを研究領域として研究活動を進めています。

Running Analisis Helth Design sdgs

ヘルスデザイン

健全な⼼⾝を育み、⼈が⽣涯健康に暮らすために必要な要因をランニングとの 関連性を明らかにしつつ抽出し、健康⻑寿社会に向けたモデルを発信します。

・ 血液分析
・ 栄養分析
・ ランニングと健康社会(市⺠ランナーと健康等)
・ ランニングデバイスの研究(ランニングシューズ、ランニングウェア、インソール、 携帯⾳楽プレーヤー等)

SDGs

「すべての⼈に健康と福祉を」「住み続けられるまちづくりを」など、SDGsの ⽬標達成に向けた具体的なアクションの優良事例をランニングという 健康にとって基本的な活動を軸に据え、構築します。

・ SDGsランニングデザイン・ステーションの構築 (持続可能な社会づくりを「ランニング」を通じて実現するための 研究拠点の設⽴)


ランニングアナリシス

医学、⽣理学、栄養学、ICTを活⽤した研究等あらゆる学術的側⾯か らランニングについて分析します。

目標設定・実施・自己評価マネジメントプロセス
スポーツにおける目的として、パフォーマンス向上や健康の維持増進など様々ありますが、自身の目的の達成の為には目標設定が重要です。その際、目標の設定は高過ぎても低過ぎてもその目的に対しては効果的ではないと言われています。 本研究では、より効果的に目的達成を果たすために、目標を設定し、その目標に向けた取り組みを実施します。更に、その一連の取り組みを振り返り、自己評価する事で より効果的な目的達成に向けた目標のプロセスを構築していきます。

コンディショニングマネジメントプロセス・手法
パフォーマンスの向上、健康の維持増進などあらゆるスポーツ活動においてその目的を効果的に果たすためはコンディションを最善の状態にすることが重要です。 本研究では、陸上競技長距離走を対象にしてレース時におけるパフォーマンスとコンディションの相関を検証します。そこで、個々にあったコンディショニングを確立することで他の競技 または、健康の維持増進の観点においても応用出来るようなプロセスの構築を目指していきます。


収集した選手主観データとタイムの関係

リアルタイムトラッキング手法
陸上競技長距離走においてリアルタイムで選手の状況を把握することは、より効果的な コーチングをするために重要です。 本研究では、リアルタイムで選手の状況を把握し、その状況をもとにコーチングすることで 選手のパフォーマンスがどのように影響を受けるかを検証します。その結果をもとに、リアルタイムトラッキングでのコーチングにより選手のパフォーマンスを向上させることを目指していきます。

メガネ型ウエアラブルセンサーの開発とスポーツ障害予防、パフォーマンス向上に向けた取り組み
近年、ランニング障害を引き起こすランニングフォームが注目され、そのフォームを改善することによってパフォーマンスが向上することが知られています。 本研究では、動作を簡単に解析できるメガネ型のウェアラブルセンサーを企業との共同研究で開発しました。これを用いて、ランニングフォームを簡便に取得し、リアルタイムフィードバックの手法でフォーム改善に役立てることを目指していきます。

3. 研究体制

蟹江 憲史  政策・メディア研究科教授 ラボ代表、統括
保科 光作  政策・メディア研究科特任講師 統括補佐、體育會競走部との連携
村井 純   環境情報学部教授 大学スポーツ、ITとランニング
河添 健   総合政策学部教授 體育會競走部との連携
水鳥 寿思  総合政策学部専任講師 エリートスポーツとランニング
植原 啓介  環境情報学部准教授 ランニングとテクノロジー
古谷 知之  総合政策学部教授 ランニングとテクノロジー
近藤 明彦  慶應義塾大学名誉教授 トレーニングと生体に対する負荷状況調査
橋本 健史  スポーツ医学研究センター副所長 トレーニングと生体に対する負荷状況調査
神武 直彦  システムデザイン・マネジメント研究科教授 スポーツデータ戦略・活用
高木 岳彦  SFC研究所上席所員 トレーニングと生体に対する負荷状況調査
大沼 あゆみ 経済学部教授 環境経済とランニング
岸 博幸   メディアデザイン研究科教授 経済政策とランニング
佐久間 信哉 政策・メディア研究科特任教授:地域資源を活用した健康増進
中島 円   システムデザイン・マネジメント研究科准教授:空間データ利活用
小野 裕幸  政策・メディア研究科研究員:體育會競走部との連携
森 将輝   環境情報学部専任講師:心理学とランニング
朽津 広達  SFC研究所所員 プロジェクトマネジメントの研究
細萱 智大  SFC研究所所員 マネージメントシステム研究
小川 涼平  SFC研究所上席所員:研究のアウトリーチ活動

なお、本研究は、SFC研究所xSDG・ラボSFC研究所インテリジェントホーム・コンソーシアムSDM研究所スポーツシステムデザイン・マネジメントラボスポーツ医学研究センターとコラボレーションしながら研究を進めています。 


4. 研究プロジェクト

同じ研究テーマを持つ参加者が、各プロジェクトに分かれて研究活動を進めていきます。
・ ランニングと健康社会にかかる研究(ヘルスデザイン)
・ ランニングデバイスの研究(ヘルスデザイン)
・ SDGsランニングデザイン・ステーション構想(SDGs)
・ スポーツビジネスが創出する社会的価値にかかる研究(SDGs)
・ 目標設定・実施・自己評価マネジメントプロセス(ランニングアナリシス)
・ コンディショニングマネジメントプロセス・手法(ランニングアナリシス)
・ リアルタイムトラッキング(ランニングアナリシス)
・ メガネ型ウェアラブルセンサーの開発とスポーツ障害予防、パフォーマンス向上に向けた取り組み(ランニングアナリシス)

研究・活動成果

原著

1) 加速度計を内蔵したメガネ型ウェアラブルセンサーとモーションキャプチャーによるデータとの相関性について ランニングフォーム異常の早期発見にむけて(原著論文) 木畑 実麻(慶応義塾大学スポーツ医学研究センター), 橋本 健史, 勝川 史憲, 日本臨床スポーツ医学会誌 26巻3号 Page423-430,2018

学会発表

1) 歩行とランニングのバイオメカニクス その時靴は何をしているのか(会議録) 橋本 健史(慶応義塾大学スポーツ医学研究センター) 靴の医学 32巻1号 Page26, 2018

2) ランニングシューズに求められる機能と靴医学的課題 長距離ランナーのパフォーマンスに対する新しいランニングシューズの効果(会議録) 太田 友彦(慶応義塾大学 整形外科), 橋本 健史, 宇佐見 則夫, 星野 達, 平石 英一, 須田 康文, 小久保 哲郎, 靴の医学 32巻1号 Page37(2018.08)

過去のニュース

2019/4/12
2019年4月12日に慶應義塾大学三田キャンパスファカルティクラブにて、ランニングデザイン・ラボ第1回報告会を開催しました。

共同研究

ランニングデザイン・ラボでは、以下の皆様と研究活動を行っています(敬称略)

2. 研究活動への参加について

研究活動へのご参加をご検討の場合は、下記宛にお問い合わせ下さい。
お申込み⼿続きの詳細につきましては、別途ご案内をお送り致します。
お手数ですが、下記宛にお問い合わせ下さい。
また、ご寄付のお申込みにつきましても、下記宛にお問い合わせ下さい。ご案内をお送りいたします。

お問い合わせ:慶應義塾大学SFC研究所ランニングデザイン・ラボ事務局
〒252-0882 神奈川県藤沢市遠藤5322
E-mail: running[at]sfc.keio.ac.jp

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